Carus Holdings グループ

コラム

Column

  • HOME
  • コラム
  • 【12月のコラム】冬本番!ヒートショックから身を守る健康管理のポイント

【12月のコラム】冬本番!ヒートショックから身を守る健康管理のポイント

2025年12月3日

12月に入り、寒さが本格化してまいりました。飯塚市でも朝晩の冷え込みが厳しくなり、最低気温が10℃を下回る日も増えています。この時期に特に注意していただきたいのが「ヒートショック」です。今回は、冬の健康管理とヒートショック予防についてお話しします。


❄️ ヒートショックとは?

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかる現象です。特に冬場の入浴時に多く発生し、意識を失ったり、最悪の場合は命に関わることもあります。

ヒートショックが起こるメカニズム

  1. 温かい部屋から寒い脱衣所へ
    → 血管が収縮し、血圧が急上昇
  2. 熱いお風呂に入る
    → 血管が拡張し、血圧が急低下
  3. 浴槽から急に立ち上がる
    → 脳への血流が不足し、めまいや失神

🎯 ヒートショックを起こしやすい人

以下に該当する方は特に注意が必要です。

  • 65歳以上の高齢者:血圧変化をきたしやすく、体温調節機能が低下
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症の方:動脈硬化が進んでいる可能性
  • 心臓病・脳卒中の既往がある方
  • 肥満の方
  • 睡眠時無呼吸症候群の方
  • お酒を飲んで入浴する習慣がある方
  • 熱いお風呂が好きな方(42℃以上)

🏠 家の中の危険な温度差

ヒートショックは、10℃以上の温度差がある場所で特に起こりやすくなります。冬の一般的な家庭では、以下のような温度差が生じています。

家の中の温度差の例

  • リビング:20〜22℃(暖房)
  • 廊下・脱衣所:10〜15℃
  • 浴室:入浴前は5〜10℃
  • トイレ:10℃前後

この温度差が、私たちの体に大きな負担をかけています。


🛡️ 今日から実践!ヒートショック予防の7つのポイント

1️⃣ 脱衣所・浴室を暖める

入浴前に脱衣所と浴室を暖めておくことが最も重要です。

  • 小型の暖房器具を脱衣所に設置
  • 浴室暖房機能を活用(ある場合)
  • 入浴前にシャワーで浴室全体にお湯をかける(簡易的な暖房効果)
  • 浴槽のふたを開けて湯気で浴室を暖める

目標:脱衣所と浴室の温度を18〜20℃に保つ

2️⃣ お湯の温度は41℃以下に

熱いお湯は血圧を急激に変動させます。

  • 推奨温度:38〜40℃
  • 42℃以上のお湯は避ける
  • お湯の温度を確認してから入浴

3️⃣ かけ湯をしてから入浴

いきなり湯船に浸からず、必ずかけ湯をしましょう。

  • 足先から徐々に体にお湯をかける
  • 心臓から遠い部位(手足)から始める
  • 10回以上かけて体を温度に慣らす

4️⃣ 浸かる時間は10分以内

長時間の入浴は体に負担をかけます。

  • 目安は5〜10分程度
  • 半身浴がおすすめ(心臓への負担が少ない)
  • のぼせる前に出る

5️⃣ 浴槽から急に立ち上がらない

急に立ち上がると、脳貧血を起こす可能性があります。

  • まず浴槽の縁に腰かける
  • 少し休んでからゆっくり立ち上がる
  • 手すりを活用する

6️⃣ 入浴前後に水分補給

入浴中は大量の汗をかき、血液が濃くなります。

  • 入浴前にコップ1杯の水を飲む
  • 入浴後も水分補給を忘れずに
  • 脱水を防ぎ、血栓予防にもなります

7️⃣ 家族に一声かけてから入浴

万が一の事態に備えて、家族に声をかけましょう。

  • 「お風呂に入ります」と声をかける
  • 一人暮らしの場合は、携帯電話を脱衣所に置く
  • 長時間反応がない場合は確認してもらう

🚫 入浴を避けるべき時

以下の状況では入浴を控えましょう。

  • 飲酒後:血圧が不安定になり、転倒リスクも高まる
  • 食後すぐ:食後30分〜1時間は避ける
  • 血圧が不安定な時:測定して異常値がある場合
  • 体調が悪い時:発熱、めまい、倦怠感がある場合
  • 降圧剤を服用した直後:薬の効果で血圧が下がりやすい

🏥 冬の血圧管理も重要

高齢者は室温が1℃下がると、血圧が約1mmHg上がると言われています。

冬の血圧管理のポイント

  • 定期的な血圧測定:朝晩2回、同じ時間に測定
  • 室温管理:居室を18〜20℃に保つ
  • 適切な服装:重ね着で体温調節
  • 薬の服用管理:指示通りに継続
  • 急な温度変化を避ける:外出時は防寒対策を徹底

🌡️ トイレも危険地帯!

ヒートショックは浴室だけでなく、トイレでも起こります

トイレでの予防策

  • 小型の暖房器具を設置
  • 便座を温める(温水洗浄便座を活用)
  • 夜間のトイレは廊下の照明をつける
  • いきみすぎない(血圧が急上昇)

⚠️ もしもの時の対応

入浴中に異変を感じたら、または家族の様子がおかしい時は、すぐに対応しましょう。

こんな症状に注意

  • めまい、ふらつき
  • 動悸、胸の痛み
  • 頭痛、吐き気
  • 手足のしびれ
  • 呼びかけへの反応が鈍い

緊急時の対応

  1. すぐに119番通報
  2. 浴槽の栓を抜く(溺水防止)
  3. 可能なら浴槽から引き上げる
  4. 体を温め、呼吸・脈拍を確認
  5. 意識がない場合は心肺蘇生

🏥 大庭クリニックでできること

当院では、冬の健康管理に関するご相談を承っております。

  • 血圧管理:定期的な血圧測定と薬の調整
  • 健康相談:冬の健康管理についてのアドバイス
  • 慢性疾患管理:高血圧、糖尿病、心臓病などの管理
  • 訪問診療:通院困難な方への在宅医療

特に高齢者の方や、持病をお持ちの方は、冬場の体調管理について一度ご相談ください。


まとめ

ヒートショックは、適切な予防で防ぐことができます。特に12月から2月の厳寒期は、入浴時の事故が最も多い時期です。

予防の基本は「温度差をなくすこと」です。脱衣所と浴室を暖める、お湯の温度を下げる、かけ湯をするなど、今日からできることばかりです。

また、血圧が気になる方、持病をお持ちの方は、定期的な健康チェックも大切です。体調に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

寒い冬も、安全に健康に過ごしましょう。


📍 大庭クリニック 診療時間

電話:0948-25-5678
診療時間:午前9:00〜12:30
休診日:木曜午後・土曜午後・日曜・祝日
アクセス:西鉄バス「伊岐須」バス停徒歩1分
駐車場完備

※年末年始の診療スケジュールは、別途お知らせいたします。

大庭クリニック 院長 中島 雄一郎


参考情報:
消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」
厚生労働省「ヒートショックを予防しましょう」