【3月コラム】粉症の症状と治療について|内科でできる花粉症対策
毎年春になると、くしゃみや鼻水、目のかゆみに悩まされていませんか?
花粉症は日本人の約4割が罹患しているともいわれる国民病です。「たかが花粉症」と放置してしまうと、仕事や日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
福岡県飯塚市伊岐須の大庭クリニックでは、花粉症の診断・治療に対応しております。内科のかかりつけ医として、お一人おひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療をご提案いたします。
この記事でわかること
- 花粉症のメカニズムと主な症状
- 福岡県・飯塚市エリアの花粉飛散の特徴
- 内科で受けられる花粉症の治療法
- 症状を軽くする「初期療法」の重要性
- 日常生活でできるセルフケア
花粉症とは? ― アレルギー性鼻炎のメカニズム
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎の一種です。医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれ、特定の季節に飛散する花粉に対して免疫が過剰に反応することで発症します。
花粉症が起こる仕組み
花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体内の免疫システムがこれを「異物」と認識し、IgE抗体と呼ばれる物質を産生します。このIgE抗体が肥満細胞(マスト細胞)の表面に結合した状態で再び花粉にさらされると、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出されます。
これらの化学物質が鼻の神経や血管を刺激することで、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみといった、つらい花粉症の症状が引き起こされるのです。
花粉症の主な症状
花粉症の代表的な症状は、以下の通りです。
風邪と花粉症は症状が似ていることがありますが、花粉症の場合は「透明でサラサラの鼻水が続く」「目のかゆみを伴う」「発熱がない(あっても微熱程度)」という点で区別できることが多いです。「風邪が長引いている」と感じている方は、実は花粉症かもしれません。
福岡県・飯塚市の花粉飛散の特徴
花粉症対策を効果的に行うためには、お住まいの地域の花粉飛散状況を把握することが重要です。
九州・福岡の花粉シーズン
九州エリアでは、スギ花粉は2月中旬頃から飛散が始まり、2月下旬〜3月中旬にピークを迎えます。続いてヒノキ花粉は3月下旬〜4月上旬にかけてピークとなります。
福岡県は九州の中でもスギ・ヒノキの植林面積が広く、毎年一定量以上の花粉飛散が観測されています。福岡県医師会が国立病院機構福岡病院で実施している観測データでも、飛散ピーク時には1平方センチメートルあたり数百個を超える日が確認されています。
飯塚市は筑豊地域に位置し、周囲を山林に囲まれた盆地状の地形です。そのため、風向きや気温の変化によって花粉の飛散量が大きく変動しやすいという特徴があります。特に気温が急に上昇する日や、風の強い晴天日には花粉が大量に飛散しますので、十分な注意が必要です。
飯塚市で注意すべき花粉カレンダー
春のスギ・ヒノキ花粉だけでなく、夏から秋にかけてもイネ科やブタクサなど草本(そうほん)植物の花粉が飛散します。「春以外の時期にも鼻水やくしゃみが続く」という方は、複数の花粉に反応している可能性がありますので、一度ご相談ください。
内科で受けられる花粉症の治療
「花粉症は耳鼻科でしか治療できない」と思っている方も多いかもしれませんが、内科でも花粉症の診断・治療は可能です。むしろ、高血圧や糖尿病などの持病をお持ちの方は、他のお薬との飲み合わせも含めて内科のかかりつけ医に相談されることをおすすめいたします。
1. 第2世代抗ヒスタミン薬(内服薬)
花粉症治療の基本となるお薬です。アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの作用をブロックすることで、くしゃみ・鼻水・目のかゆみを改善します。
現在主流の「第2世代」抗ヒスタミン薬は、従来の薬に比べて眠気などの副作用が大幅に軽減されています。1日1〜2回の服用で効果が持続するものが多く、お仕事中や運転をされる方にも使いやすいお薬が増えています。
お薬の種類は複数ありますので、眠気の出にくさ・効果の強さ・服用回数・食事との関係・ジェネリック医薬品の有無などを考慮し、患者さまの生活スタイルに合ったお薬を選択いたします。
2. 鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)
鼻の粘膜に直接噴霧することで、鼻づまり・くしゃみ・鼻水の3つの症状すべてに高い効果を発揮する点鼻薬です。
「ステロイド」と聞くと副作用を心配される方もいらっしゃいますが、点鼻薬のステロイドは鼻粘膜に局所的に作用するため、体内にほとんど吸収されません。全身性の副作用は極めて少なく、安全性の高い治療法として、鼻アレルギー診療ガイドラインでも推奨されています。
中等症以上の花粉症では、抗ヒスタミン薬との併用でさらに高い効果が期待できます。
3. ロイコトリエン受容体拮抗薬
特に鼻づまりが強いタイプの方や、気管支喘息を併せ持っている方に有効なお薬です。抗ヒスタミン薬と併用することで、相乗効果が期待できます。
4. 漢方薬による治療
「透明な鼻水がダラダラ出る」という症状には、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などの漢方薬が効果を示すことがあります。西洋薬との併用も可能ですので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
5. 点眼薬
目のかゆみ・充血が強い場合には、抗アレルギー点眼薬を処方いたします。内服薬だけでは目の症状が十分に改善しないことがありますので、目の症状がある方は点眼薬の追加が効果的です。
重症度に応じた段階的な治療
花粉症の治療は画一的ではなく、軽症・中等症・重症の重症度に応じて治療内容を調整します。当院では、症状の強さや日常生活への影響度を確認した上で、最適な薬剤の組み合わせをご提案いたします。市販薬で効果が不十分な方も、処方薬に切り替えることで症状が大きく改善するケースが少なくありません。
花粉症は「早めの受診」が鍵 ― 初期療法のすすめ
花粉症治療において、近年特に重要視されているのが「初期療法」です。
初期療法とは
初期療法とは、花粉が本格的に飛散する前、あるいは症状がごく軽い段階から治療を開始する方法です。鼻アレルギー診療ガイドラインでも、毎年強い花粉症の症状がある方には初期療法が推奨されています。
花粉に繰り返しさらされると、鼻や目の粘膜では症状がなくても微小な炎症(最小持続炎症:MPI)が起こっています。この状態で花粉の飛散が本格化すると、一気に強い症状が出現し、コントロールが困難になります。初期療法によってあらかじめこの炎症を抑えておくことで、ピーク時の症状を大幅に軽減できるのです。
初期療法の効果
福岡県ではスギ花粉の飛散が2月中旬頃から始まりますので、理想的には1月下旬〜2月上旬頃には治療を開始するのが望ましいとされています。
ただし、すでに花粉が飛び始めている時期でも、今から治療を開始することでこれからのピークに備えることは十分に可能です。「もう遅いかも」と諦めず、症状を感じたら早めにご受診ください。
日常生活でできる花粉症のセルフケア
お薬による治療と並行して、日常生活での花粉対策も症状の軽減に重要な役割を果たします。
外出時の対策
- マスクの着用:花粉の吸入量を約3分の1〜6分の1に減らす効果があるとされています。
- メガネ・花粉対策ゴーグルの使用:目への花粉の侵入を防ぎます。
- 花粉の多い日・時間帯の外出を控える:気温が高く風が強い晴天日や、昼前後・夕方は飛散量が増えやすい時間帯です。
- 花粉が付きにくい素材の衣服を選ぶ:ウールやフリースは花粉が付着しやすいため、表面がツルツルした素材がおすすめです。
帰宅時・室内での対策
- 玄関で花粉を払い落とす:衣服や髪に付着した花粉を室内に持ち込まないことが大切です。
- 帰宅後すぐに手洗い・うがい・洗顔:鼻をかむ、目を洗うことも効果的です。
- 窓の開閉に注意:花粉の飛散量が多い日はできるだけ窓を閉め、換気は飛散の少ない早朝か深夜に行いましょう。
- 室内の掃除をこまめに:空気清浄機の活用も有効です。
- 洗濯物は室内干し:外干しすると花粉が付着してしまいます。
花粉症についてよくあるご質問(FAQ)
Q. 花粉症は内科で診てもらえますか?
はい、内科でも花粉症の診断・治療が可能です。当院では、くしゃみ・鼻水・目のかゆみといった花粉症の諸症状に対して、内服薬・点鼻薬・点眼薬などを用いた治療を行っております。他の疾患のお薬との飲み合わせも含めて総合的に判断いたしますので、かかりつけの内科にご相談いただくことをおすすめします。
Q. 市販薬と処方薬では何が違いますか?
現在は一部の第2世代抗ヒスタミン薬がドラッグストアでも購入可能です。ただし、処方薬にはより効果の強い薬剤や、市販されていないステロイド点鼻薬・ロイコトリエン拮抗薬などがあります。市販薬で十分な効果を感じられない場合は、医療機関での処方に切り替えることで症状が改善するケースが多くあります。
Q. 花粉症の薬は眠くなりますか?
現在主流の第2世代抗ヒスタミン薬は、脳への影響が少なく設計されており、眠気の副作用は大幅に軽減されています。特に運転や精密作業をされる方には、添付文書に運転制限の記載がないお薬を優先的に選択いたします。どうしても眠気が気になる場合は、お気軽にお申し出ください。
Q. 初めて花粉症のような症状が出ました。受診すべきですか?
花粉症は、これまで症状がなかった方でも突然発症することがあります。花粉に対するIgE抗体は長年の蓄積で一定量に達したときに発症するため、大人になってから初めて花粉症になる方も珍しくありません。症状が続く場合は、自己判断せず早めにご受診ください。風邪や副鼻腔炎など他の疾患との鑑別も含めて適切に診断いたします。
Q. 花粉症の症状が治まったら薬を止めてもいいですか?
症状が軽減しても、花粉が飛散している間はお薬を継続されることをおすすめします。自己判断で中断すると、花粉の飛散量が多い日に症状が急激に悪化する可能性があります。お薬の中止時期については、花粉の飛散状況を見ながら医師にご相談ください。
花粉症の症状にお悩みの方は大庭クリニックへ
花粉症は適切な治療を行うことで、症状を大幅に軽減し、快適な日常生活を送ることが可能です。特に早めの受診と初期療法が、シーズンを通じた症状コントロールの鍵となります。
当院は開院以来約35年にわたり地域医療に取り組んでまいりました。花粉症をはじめとするアレルギー疾患についても、お一人おひとりの症状や生活背景に寄り添った丁寧な診療を心がけております。
「毎年花粉症がつらい」「市販薬では効かない」「今年初めて花粉症のような症状が出た」という方は、お気軽にご相談ください。
大庭クリニック ― 診療案内
火・木:9:00〜12:30(午前のみ)
土:9:00〜13:00
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